パターンC 《リハウジング: TRCC作業》

リハウジング工程

それぞれの工程の説明は《工程ごとの内容》のタブをクリックして表示
※オレンジの枠内がTRCCのサポート

工程ごとの内容

  • 未整理資料
  • 記録
  • ドライクリーニング
  • 整形
  • 容器収納
  • 返却

未整理資料:不揃い・汚損・綴じ不良・大量等の問題のある未整理物

大事な資料と思われるものでも、受け入れ前の保管状況から、劣化損傷というよりも、汚れていたり、綴じが壊れていたり、がさっとまとめられ縛られた資料などが、段ボールに入った状態のまま保管されているものがあります。どこから、どのように手を付けて良いのかわからず、また整理する時間も人員も無く、予算も多くない状況で手をこまねいてしまいがちです。
そのような資料に対する処置について、TRCCにお問い合わせがあれば、作業内容は条件に応じて、リハウジングのお手伝いをします。見積りにて作業方針・内容・金額に折り合いが付きましたらTRCCが引取りに伺います。(可能であれば事前に燻蒸処理がされていると理想的です。

〔リハウジング〕記録:現状の記録

資料の現状を記録します。記録の内容は、所有者と協議しながら決定しますが、基本は「年月日、通番号、資料番号、置き方、大きさ、厚さ、資料のタイプ、綴じ形態」などを調書に取ります。

〔リハウジング〕ドライクリーニング:刷毛を用いて簡易なクリーニング作業

汚損や埃の堆積している資料はもちろんですが、一見きれいに見える資料でも、長期に保管するのであれば、この機会にドライクリーニングをしておくべきです。なぜなら、埃や塵などは、カビやフォクシングなどを引き起こす微生物のよすがになるので、刷毛で払っておくほうが良いからです。紐などでまとめられているものは、資料の附属物で無い限り、紐を切り除去します。資料の順序は、基本は変更しないようにしますが、順序に秩序がなく、現状を保存する必要がなければ、資料の大きさや収まりやすさ、扱いやすさを優先して、変更します。

〔リハウジング〕整形:資料を整える

クリーニングを終えた資料を容器収納に向けて小分けにしたり、ページの合わせを整えたり、折れを伸ばしたりします。基本、リハウジング作業には修復を組み合わせません。ウェットにしたしわ伸ばしや繕いなどの糊作業は、特例を除き無しということになります。錆を生じた留め金具など除去については、作業に入る前にルールを決めて、実施・実施しないを決めます。たとえば除去する際でも、留め金具をステンレス、または被膜されたものに交換するなど、こよりなどを用いない簡易な方法を取ります。
資料の順序については、ドライクリーニングの項の内容と同じです。変更の場合、どちらの工程で行うかは、資料に応じて判断します。

〔リハウジング〕容器収納:資料の養生

本格修復は行わないので、本紙は基本、封筒などの保護用品で養生します。この際には、利用の際の手間が増えないように、たとえば丸々包むなどの過剰な保護は行ないません。使用する材も、対象資料に応じてグレードを変えます。(保存用中性紙か比較的安価な安全な素材)これらは、見積りの段階で所有者と打ち合わせて決定します。

返却:訪問

リハウジングを終えた資料を返却します。コンサバターが今後の利用についての留意点などをお伝えします。