東京修復保存センター

ジクレー法とは

ジクレー(giclee）は、フランス語で〝吹き付けて色を付ける〟の意味。版を用いずにインクジェットプリンターを使用し、刷り上げる技法です。ジクレー版画技法は、欧米の絵画市場では急激に成長しており標準的な版画技法として既に認知されています。その特徴は、原画を細部に亘って色彩や階調を正確にそして忠実に再現できる技法であるということです。一般的にこの技法は、原画やポジフィルムを高精度スキャナーやデジタルカメラでデジタルデータ化しています。

■高品質で、安心・安全・低コストの高精細複製サービス

TRCCではジクレー版画技法を応用して、高精細な複製制作のサービスを行なっています。「ジクレー技法〈撮影、入力、出力〉」+「修復」というハイブリッドな技術で、一工房内で一貫した複製作成となっています。中間マージンを抑えていますので、安心・安全・低コストに加えて高品質なサービスのご提供が可能となっています。

• ■よくできた写真やコピーみたいな複製や、色はきれいだが保存性がない複製とは違い、見る人に「本物感」を与える上に、保存性が高い複製です。
• ■TRCCのコンサバターが、資料の状態と保管環境から「保存」を考え、今後の「活用」を考慮した複製制作を、用途と予算に応じて提案します。

■「再現性」と「保存」を両立した高精細な複製制作

一般的に、撮影から出力まで一貫した設備を整えているところはなく、撮影作業と出力作業は、別の業者が行なうことがほとんどです。資料の再現性について完全カラーマネージメントを行なうには、撮影から出力まで一貫した設備であることが必要です。TRCCの複製制作では、撮影から出力まで一貫作業ですので、「完全カラーマネージメント」が可能です。また出力インキには、耐水性、耐褪色性、耐候性のある顔料インキを使用していますので、「再現性」のみならず「保存性」の高い複製となっています。

• ■耐水性、耐褪色性、耐候性の面で優れた顔料インキを使用。専用8色プリンターによりワイドガモットな色彩表現が可能ですので、オリジナルの風合いの正確な再現ができます。
• ■長期に安定した出力素材の使用しています。出力素材は欧米において十分市場実績のあるものを使用。使用できる出力紙は、マット紙や光沢紙、コットン主体の中性の水彩画用紙、キャンバス地、和紙など、目的・用途に合わせた出力紙および表面テキスチャーを選択することができます。それぞれの出力紙に応じた、適正な色校正を行なっています。
• ■カラーマネジメントシステムの徹底しています。完全なカラーマネジメントを実施できる撮影・出力環境は、他に類を見ないものです。