アーカイブズの保存箱を考える コストという視点を導入して、考えてみましょう

■所蔵資料の整理と収納箱を、コスト(cost)という視点から考える

アーカイブズは国の礎

箱には、何を入れますか?

国や都道府県、市町村の公文書や古文書、図書館や博物館の文書資料、企業の文書や図面、大学や団体などの文書資料は、利用(歴史からの教訓・将来の説明責任)のために、永く保存していく必要があります。移管するまでの期間は長期ではなく中期的な保存となります。
これらは現用から非現用になるまで、当該機関できちんと保管しないといけません。大量にある、これらの文書の保存には、中期的な保存性を有しながら「安価な」容器が必要となっています。なぜでしょう??

中期的な保存目的の資料は、どんな箱に入れますか?

B → 中性紙保存箱 酸性紙段ボール
長期的な保管に… 短期的な保管に…
High Cost Low Cost
酸性紙の安い箱はある。
中性紙の高い箱はある。
しかし中性紙の安い箱はない。
→ 中期的な保管を目的とした容器がない!!

では、中期的な保管を目的とした何の箱に入れればいいのでしょう?

一部整理

短期でもなく長期でもない、その中間のものはどっちに入れたらいいのでしょう?
多くの所蔵機関では、良かれと思って中性紙の保存箱を購入するでしょう。でも限られた予算では、全部の資料が納まる満足な量の箱を買うことできません。収納できるのはほんの一部だけ。入りきらないその他大量の資料は、受け入れ時の酸性段ボールに入れられたまま、未整理のまま長期間置かれてしまうことになります。これは大変困った問題なのです。なんで中性紙の安い箱がないの??