TRCCとは~ 紙資料の修復工房です

■TRCCのコンサバターは、皆さんの「パートナー」を目指します

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  • 古い資料だけど利用したい
  • デジタル画像が欲しいし、原本も残しておきたい
  • 利用したいという人があると閲覧させるが、そのたびに壊れてしまう
  • 大事なものだけど整理が悪くて。自分がいなくなったら捨てられてしまうかも
  • 上司から永年保存を指示されたが保存の仕方がわからない
  • 保管場所でカビが発生してしまった…
  • とにかく、今のままでは不安でしょうがない

あなたがそんな場面に直面してしまったら誰に相談したら良いのでしょう?
古い資料は、段ボールに整理されないまま入れられ、傷んでいたり、埃をかぶっていたりします。綴じ金具も錆びていたり、入れていた袋も破れていたり、水濡れしてしまったものもあるかもしれません。書かれている文字が薄くなって来たり、インク焼けを起こしてしまったり、虫が食べていたり、カビが生えていたり、貼られていた粘着テープが黄色く変色してぼろぼろだったり。今も利用しているのだけど、古いものだからどんどん破れてきて、壊れ始めているから修理したい。大事に取って置きたいけど、これからも利用したい。でも使うほどに壊れていく。そんな話となると余計ややこしくなり、担当者や所有者は、いったいどのような方法をとったらいいのか、と途方に暮れてしまいます。大量だったりすると、どのくらいの予算(費用)が必要なのかも検討もつきません。資料の保存・修復を検討するのは、消耗品を購入することはおおきく異なり、わからないことがたくさんあって判断できないものなのです。
「どうやって残したらいいの?」そんな悩みを持った方。ぜひ、TRCCのコンサバター(conservator:保存に携わる専門家)に一声かけてください。あなたに寄り添い、ともに考えるパートナーとしてお役に立てると思います。

■「パートナー」は何をしてくれるのでしょう?

まずは所有者や管理を担当している方とお会いし、現在抱えている問題や不安、今後の計画など、お持ちのイメージをお聞かせいただきます。必要でしたら、納得するまで紙資料の保存についての基礎知識を丁寧にご説明いたします。将来の保存と利用のイメージが具体的に描けるまで議論を深めて初めて、「保存と利用のためのロードマップ」を設計することができます。そのうえで、修復や保存に向けた延命処置の手段や保管具の提案、デジタル活用法など、さまざまな方法のなかから、対象の紙資料の保存と利用に合ったベターな方法を選択して、提案します。もちろん、私たちは、その後の修復や保存処置作業、保管具の調達など、豊富な知識と経験に裏付けられたサービスで、最後まで責任をもって取り組みます。また作業完了したその後も、管理の仕方につきましてのお問い合わせにも対応致します。

創業以来、修復の新しい可能性を追求しています

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東京修復保存センター(TRCC)は、デンマーク王立アカデミー文化財修復技術学院で修復技術と理論を学んだ初代代表 坂本勇により1988年6月に設立された私企業です。 当時、国内では酸性紙問題が大きく取り上げられ、19世紀から現代に用いられた大量の紙資料の将来的な保存と修復に注目が集まり始めた時期でした。以来、欧米の最新技術と日本の伝統的な修復技術とを組み合わせ、また国内外の専門家の協力を得ながら、我が国の実情に合わせた修復技術の素地を固めてきました。
近年では、時代に合わせ、限られた修復予算のなかでも、より多くの資料が保存・活用できるように、大量修復の分野において、クライアント様と共同しながらソリューションの確立を目指しています。

紙資料の修復では、素材は和紙のもの、洋紙のもの、形態は公文書、古文書、絵図、ポスター、建築図面、図書、新聞など、さまざまな素材や形態の資料を修復保存対象としております。近年増えてきましたデジタル化に対するサービスのお手伝いもしています。また修復作業のみならず、資料の劣化診断調査、保存環境調査、災害援助支援、海外での技術支援、ワークショップなど、様々な方面で活動しています。

近現代の作家の原稿や建築図面、楽譜といった近現代の歴史史料を扱う機会も増えています。既知の範囲を超えた技術につきましても、信頼できる専門家や専門機関の協力を得ながら、果敢に取り組んでいます。TRCCはいつでも修復の新しい可能性を追求しています。