TRCCの保存 (Conservation) を支える4つの柱

保存への考え方の《基礎》「4つの柱 - 修復・予防・保護・調査」

TRCCは、この4つの柱の上に「保存」が成り立つと考え、残したい気持ちを持つ方を、サポートしています。

4つの柱

1.修復 Restoration

リーフキャスティングという修復技法を中心に、さまざまな技法を用いて、傷んで取り扱いが難しくなった資料を修復します。本格修復をからミニマムな繕いまで、所有者様のご希望に沿いながら、適切な技法を選択、提案します。

2.予防 Preservation

今はまだ取り扱うことができる資料でも、これから先、傷んでしまう可能性があります。その代表は酸性劣化による損傷です。TRCCでは、ソフトスプレー式の脱酸性化処理を行ない劣化のスピードを緩和させます。修復作業は多大なコストがかかります。適切な予防処置をとることにより、修復に至るまでの時間を先延ばしさせ、長いスパンで見て、保存にかかるコストを軽減させることができます。

3.保護 Protection

修復を終えた資料や、閲覧には支障はないが傷んでいる資料、まだ元気な状態の資料も、それぞれの程度と、保存の環境に応じて保護することによって長期の保存が可能になります。箱やフィルムに入れたり、複製物やデジタル化を行なうことにより、オリジナル資料への負担を軽減させます。「保護」は「予防」にもつながります。

4.調査 Consulting

資料の保存は、置かれる環境でも大きく左右されます。たとえば保管場所の温湿度調査を行なうことによって、今後に向けて対策を取ることができます。日本の高温多湿の環境では、保存の大敵「微生物」の働きや、温湿度の急激な変化を抑えることが、もっとも安価な「予防」処置となります。

資料の保存は「まずは修復ありき」ではありません。資料の劣化損傷の程度、今後の活用方法や保存期限、保管環境などの情報と、4つの柱の方法を組み合わせて、取るべき手段を考えていく必要があります。弊社のコンサバターが、一緒に考えます。ぜひお問い合わせください。