文化財の修復家の「とっておきっ!」の取って置くための情報

モノを長持ちさせるためにはさまざまな工夫が必要です。なにせモノは生まれ出た時から、少しずつ壊れていく宿命を持っているものですから。
紙がどれほど持たないのか、という情報は、これだけ情報があふれている世の中なのに、意外とありません。たどり着いたとしても、断片的な情報だったり、専門的に過ぎてしまってちんぷんかんぷんみたいな。そこで今回は、私たち、紙資料の修復家が、皆さんの身近に潜んでいる、さまざまな「壊れる仕掛け」(専門用語で「劣化要因」)について、情報を集めてみました。
日々の皆さんの生活の中で、大事な思い出を「長持ち」させたいときに生かしてもらったらうれしいです。

高温多湿な日本では、そもそもモノが長持ちしないのです!

えっ?日本の気候が「高温多湿」?そんな、おおげさなんじゃない?みなさんそう思って過ごしてませんか?でも思い返してください。家電では除湿機は良く売れます。水とりぞうさんみたいな除湿剤も。それは日本の環境が気候が「高温多湿」だから・・・・
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問題なのは日本の夏場の気候

梅雨が始まる6月から、秋の入り口の9月まで。この間は、湿度が60%を超える日が続きます。この時期は、もうりっぱな「高温多湿」の気候なのです!
勤勉で働き者のカビは、この時期が大好きで、喜んでせっせと活動します。すると・・・・
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うつろう四季の変化にも問題が!

夏場を除けば、安心できるのでしょうか?そんなことはありません。 日本は、夏場は高温多湿、冬は低温少湿。空気に含まれている水が、とても多い季節ととても少ない季節が順ぐりにやってきます。じめっとしていたり、カラカラになったり。実はこの気候の移り変わりが・・・・
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湿気は体にも悪いし、モノにも悪い

空気が動かない場所には湿気がこまります。これは常識ですが、それとカビの発生が結びついていることを知っていますか?湿度が高まったところで空気が動かない場所では、カビがせっせと王国を築き上げます。人間の手も入らないところでは・・・・
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ホコリは「目の敵」なのです

ついついたまってしまうホコリ。ちょっと見、汚くても無害そうに見えますが、実はこのホコリ、空気の含まれる水を集めるはたらきをします。それに、カビの栄養源も含んでいるのです。空気中に漂うカビの胞子がホコリに降り立つと・・・・
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水は破壊のフィクサー【黒幕】

カビを育む湿気も、元をたどれば「水」です。水は、命を作り、育む働きを演出しますが、命を縮める働きも演出します。まるで命をつかさどる黒幕です。水がひとたび破壊に転ずるやいなや、モノはいやおうもなく・・・・
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光は破壊界の暴君!?

虹は何色に見えますか?ふつう7色ですね。国によって色の数が違うらしいのですが、虹の輪の外側が赤、内側が紫(藍)というのは、とうぜんですが万国共通です。赤から紫までが、実は人間の目に「見える」光で、実はそれ以外の「見えない」光もあるのです。この目に見えない光線が・・・・
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空気も悪いなんて、言ったらどうします?

えっ?空気って悪いの?なにが?と思われるかもしれません。大気汚染が人間の健康に良くないのは、もう常識ですが、やっぱりモノの保存にも良くありません。車の排気ガスや工場から排出されるNOx(窒素酸化物)やSOx(二酸化硫黄)は、大気汚染の代名詞ですが・・・・
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そして人もモノを壊していきます

周りの環境ばかり悪者にしていられません。人の行動もモノを悪くしていきます。貼ったり綴じたりまとめたり。そんな何気ない行為に落とし穴が潜んでいます。粘着テープと言われる、セロファン(セロハン)テープ、ガムテープの粘着部分は、驚くほど早く変質して・・・・
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保存方法として「箱入れ」は良いこと?悪いこと?

○良いことを挙げると…
・環境からの悪影響を、あたかも「シェルター」のように防ぐことができます。影響を受けない箱の中の環境にいることで、モノが悪くなるスピードを緩和させ、長持ちさせることができます。
・不意の水濡れ(災害時のスプリンクラーや消火放水、漏水、洪水など)から、初期段階で、大事なモノを守ることができます。
・地震などの揺れによる落下の際や、不意のミスで落としてしまったときに、中に入ったモノを守ることができます。

○悪いことを挙げると…
・大事な資料を保管するところでは、劣化資料の「棺桶」って言われたりします。一度入れてしまったら、悪い状態のモノも見えなくなってしまうので。臭いものには蓋をしろ、みたいな感じになってしまいます。
・モノに合った適材適所の箱選びが、わかりずらいです。長持ちしない普通の箱は「酸性紙」なので論外ですが、「中性保存箱」と銘打たれている箱も、オフィスや一般宅、研究室などでは値段も高いし湿気に弱いので適しません。

箱入れは、効果としてプラスの部分とマイナスの部分をちゃんと考えて行なえば、費用対効果の高い保存の方法です。積極的に「箱入れ効果」を活用しましょう。きっと、あなたの大事なモノが、ずっと長持ちしますよ。