平成16年5月29日 13:30から、鎌倉市にある「鎌倉芸術館」集会室に於いて、当社にて修復を行なった「ボン・マルシェ日記」の修復過程についての報告を秦博志が行ないます。 当日は30分の報告で、画像と映像を交えながら修復の過程を説明することになっております。 修復前後の比較、修復作業風景、本紙の劣化状況診断についてなど、短時間ではありますが、広く理解をしていただけるように準備しております。 修復に興味をもたれている方も、「ボン・マルシェ日記」に興味のある方も、黒焦げの資料が閲覧できるようになるダイナミックな変化の過程を楽しんで見て頂けるかと思います。 どうぞお越し下さいますよう、お願い致します。
「ボン・マルシェ日記」 昭和12年に鎌倉に移り住んだ中原中也が使用した日記帖。フランス大手百貨店ボン・マルシェが刊行した年間予定表付の手帖の1934年版を、中也が昭和12(1937)年の日記として転用したので、このように呼ばれている。昭和47(1972)年の中原家の火災によって大きな損傷を受けたが、『新編中原中也全集』(角川書店)編集を機に修復された。晩年の中也を知る重要な資料である。